本に好き嫌いがあるようにお話にも好き嫌いがある。

だからこの話を嫌いという人は多いかもしれないが、私は好き。

お話は、




ある死火山のすそ野に「ベゴ」とあだなされる大きな黒い石がじーっと座っていました。

周りにはかどのあるあまり大きくない石たちがいました。

ベゴさんは非常に気性がよく一度も怒ったことがないので、深い霧が立ち込める時、退屈になると

皆がベゴさんをからかって遊びました。




小さい頃、読んだときはなんだか無性に悲しくて、虐める火山れき達に腹を立てながら読んだんだ。

そして最後、




大学の地質学教室の人々が「すばらしい!」とこのベゴ石を絶賛して研究室に持って行く。

まわりのものには目もくれず・・・・・

散々、自分を馬鹿にしたもの達にベゴさんは、

「私の行くところはここのように明るい楽しいところじゃないけれど、みな、自分の出きる事をしなければなりません。

さようなら、みなさん」

と、言って馬車に積まれて山を去る。




なんか最後までカッコイイなぁ。このベゴさん

自分のコトもっとちゃんと評価すればいいのに!

って小さい時思ったんだよね。

そして、自分にとって辛い状況になった時とかにこの話を思い出しては、自分なりに元気つけて頑張った事もあった。

へん!見る人がみればわたしだって!!!!ってね。(^_^;)






ところが、今回、読み返して見ると・・・・・・ん?!



なんか違う!って、感じたんだ。

人それぞれ価値観は違う。

環境や知識のある無しで益々、ものの見方が変わるんだ。

小さい時、虐めてた火山れきを「お馬鹿な奴ら」と思ってたけど今は違う。

彼らの環境ではそれが当たり前だったのだろう。

一人だけ違う「ベゴさん」は理解できなかったんだろう。

それに大学に行って良かった〜って思った小さい時だったが、今は確かにベゴさんの言うとおり。

お日様の下にいたい人にとってはきっと良いことではなかったろう。(たとえ、虐められる環境であっても)

話相手もいない環境に行くよりは馬鹿にされても話相手がいる方がいいのかもしれない。

これもそれぞれの考えだよね。



なんだか久し振りに考えさせられた。

これもおとなになったってことで・・・・・(^_^;)



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