D−聖魔遍歴
辺境を内と外とに二分する砂漠は、”帰らざる砂漠”と呼ばれて恐れられている。
外辺境の町から、夜も灼けつくその砂漠に、今しも足を踏み入れようとしている奇怪な一団があった。
砂漠を通って内辺境のバーナバスの町に行くことを依頼されたD。
8年前に貴族に融解された”隠されっ子”タエと、タエを救出して期日までに家族のもとに送り届けようとしている”人探し”パイパー婆さん。
それにDをつけ狙う、外辺境一の戦闘士と噂の高いビューロー兄弟、ビンゴとクレイである。


様々な思惑を秘めた一行が砂漠に入るや否や、すぐさま怪異な現象が発生し、半透明の球体や黒い蝶の群れが襲いかかってきた。

”帰らざる砂漠”と恐れられていたのは、厳しい自然条件のためではなかった。

この砂漠は侵入者を選別し、捕獲し、使役する”意志を持つ”砂漠だったのである。
ソノラマ文庫より


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D−北海魔行(上)
一年前の夏、海から貴族が上がって来た夜に浜辺で拾った”珠”は、辺境の漁村に住む姉妹の想像を遥かに超えた価値を持つものらしかった。
姉の使いで、”珠”を売りにウーリンが町に出た時、”珠”を眼にした者は例外なく、あらゆる手段を用いてそれを奪い取ろうとするのだ。
一度は危機を通りがかりのDに救われたものの、ウーリンはクローネンベルグの町の顔役ギリガンに、”珠”の由来を問い詰められた挙句、無残に殺されてしまった。

死の間際の少女の願いで、Dは”珠”を持って、少女の村 フローレンスに向かった。

凍てついた荒涼たる海に面した村の束の間の夏が訪れる。
だが、間もなく始まる今年の夏は、歓迎されざる異形の客を数多く伴っていた。
D,”珠”を狙う7人の男女、美貌の怪剣士、そして夏だけに姿を見せる海からの貴族・・・・・・・・・・・
ソノラマ文庫より


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D−北海魔行(下)
凍てついた最北の海辺の村”フローレンス”に、待ちに望んだ夏が訪れた。
暖かい陽光に包まれ、村の学校の落成式や広場の旅芸人の見世物と楽しさいっぱいの子供たちの歓声が響く。わずか一週間の夏。その束の間の歓びを噛みしめる村人の顔には、だが、どこか翳りと怯えが秘められていた。

村のはずれには、かつて人間に暴虐の限りをつくした後、旅の男に滅ぼされ海に封じ込められたと言い伝えられた貴族、”マインスター男爵”の城跡がある。その伝説の貴族は夏になると姿を現し、飢えを満たすのが常だったからだ。そして、スーインの持つ”珠”を狙うキリガン配下の戦闘士らとDとの抗争が、今年の夏にさらに凄惨な彩りをそえていた。

三人の若者が貴族の犠牲になった夏の第一日目、連合戦線を張った戦闘士らは、一気にDに襲いかかったのである。
ソノラマ文庫より


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D−昏い夜想曲
D、三人の戦闘士、そしてライがアニスの村についた夜、二十年ぶりに貴族の館に灯がともり、伝説の歌が流れ出た。
かつて貴族が村人を招き寄せるために作ったという、聴く者の心を捉えて離さぬ魔性の歌が・・・。

表題作の 『D−昏い夜想曲』の他、『D−想秋譜』、『D−戦鬼伝』の三作品を収録
ソノラマ文庫より


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D−薔薇姫
薔薇に埋もれた城館に住む”姫”と呼ばれる貴族と、それに仕える忠節無比の4人の騎士は、妖物や天災から村を守る一方、命に背く村人を容赦なく惨殺して、長い年月、村を支配下に置いてきた。

だが、時の流れはこの村にも貴族の支配に疑念を抱く若者を生み、それに対する姫の側の報復も凄惨の度を増した。そして、惨劇のさなか、Dが村に足を踏み入れた。
ソノラマ文庫より


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